今回のテーマは、「赤面症と赤面恐怖症」の違いについてです。
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赤面恐怖症で長年苦しんだ少年(私)の体験談です。
私は小学4年生のときに、夏休みの自由研究で、ラブテスター(Love tester)を作りました。
何かの雑誌で読んで作成方法が書いてあったので、それを真似したのです。
チンチン電車(路面電車)に乗って、一人で日本橋(大阪)の電気街まで部品を買い出しに行きました。
かなりませた子どもだったのですね。
プラスチック制のタッパーの左右に穴をあけて、テスターの両端から線を左右に出して、その先端にクリップをハンダ付けするだけの簡単なものでした。
それの使い方は、男子と女子が手の人さし指にそれぞれクリップを挟み、もう一方の空いた手で握手をするというものです。
興奮したら電気が流れて、テスターの針が大きく振れて、二人は好き同士だというこということになります。お遊びの工作ですね。
夏休み明けに小学校に持って行った瞬間に、もちろん、クラスで大騒ぎになりました。
あっちこっちで、歓声があがります。
作った私は、鼻高々、もう、英雄気分です。
しかし、その気分も一瞬で吹き飛び、後々までトラウマになる事態が起こりました。
やがて、私の番が回ってきました。
その相手の女の子が、当時、気になる子だったのです。
そんな私は、テスターをする前に、もう赤面していました。
「お前、なに、顔、赤なっとんねん!」といじめっ子が言い放ちました。
ああ、残酷な大阪弁です。
「お前、あいつが、好きなんちゃうんか?」
そんなはっきりと言わんでも・・・、そのとき、私は自分が赤面するのをはっきり意識したのです。
その後、その女の子のことで、からかわれるたびに赤面します。
そして、今度は赤面すること自体をからかわれ出しました。
そうなったら、つねに赤面しないようにと思い始めます。
残念ながら、赤面症は生理現象で、意識的にコントロールは効きません。
興奮しても顔に出ない人と出る人の違いで、ちょっと血流がよくなるとすぐに顔が赤くなってしまうのです。
ちなみに私は、アルコールが少しでも入ると、赤鬼のように顔が真っ赤になりますから、体質なのです。
ということで、赤面症は生理現象だからどうしようもありません。
しかし、赤面症を意識し出して、それが恥ずかしくて、嫌で嫌でたまらなくなったら、
いつもいつも、「顔よ。頼むから赤くならないで」と自分で自分に言い聞かせるようになります。
人前に出たり、ちょっと目立つだけで、赤くなりますから、もう必死で言い聞かせますが、何の役にも立ちません。
意識すればするほど、赤面してしまうのです。
もうお手上げです。
やがては、赤面することにつねに恐怖してしまい。
完全な赤面恐怖症となってしましました。
そんな自分に嫌気がさして、自分を追い込むこともしました。
小学6年生のときには、かなり頼りない私が、児童会会長に立候補したのです。
担任の赤坂先生が全面的に応援してくださって、立会演説会の台本も作ってくださり、徹底的に練習をさせられました。
当時の児童会会長選はクラス対抗戦のようなところもあり、赤坂先生も他のクラスの先生の鼻を明かしたかったのかもしれません。
真っ赤になりながら、立会演説会をやり切りました。
6年生の下馬評では、スポーツも勉強もよくできるK君で決まりだろうと噂されていました。
当時、1000人を超す児童数だったので、演説会でのパフォーマンスが、ばっちり決まった方が投票で勝つのは当然でした。
そう、赤坂先生の特訓の成果で、見事、創立100周年の記念すべき児童会会長になれたのです。
6年生の間では、なんであんな頼りない奴がと思われたことでしょう。
このでき事で、赤面恐怖症からおさらばできたのでしょうか?
そうだったら、いいお話だねで、おしまいですが、いえいえ、そんな簡単なものではありません。
赤面症自体は変わらないので、相変わらず、からかわれだすと元の木阿弥なのです。
しかも、頼りない奴が児童会の会長になったものだから、いじめたくもなるのが子ども心です。
私への風当たりは、児童会会長になっても弱くなることはありませんでした。
さらに、中学校に入っても尾を引きます。
結局、一瞬の高揚は、長続きしませんでした。
赤面恐怖症というのは、自分の赤面症を意識しすぎるあまりに、潜在意識にまで、その嫌な思いが刻み込まれた状態を言います。
潜在意識に一度刻み込まれると、潜在意識は自動的に簡単にその思いを再現します。
つまり、赤面恐怖症は、嫌だ嫌だと思えば思うほど、潜在意識にその思いが刻み込まれ、簡単には逃れられなくなってしまうのです。
逃げても逃げても追いかけられる悪夢を見たことがあるでしょう。
それが白昼に続いているようなものなんですね。
さて、それでは赤面恐怖症からどうやって脱却できたのでしょうか?
完全に克服できたのは、成人してからでした。
続きは次回、では、お楽しみに。
最後まで、お読みいただき、ありがとうございました。
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